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	<title>嘘つきは恋の始まり。</title>
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	<description>そんな指でナデナイデ。</description>
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		<title>寂しがり屋な藍#1　―夜八時の奇跡事―</title>

		<description>『藍に似ている。』



彼はそう言っ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">『藍に似ている。』



彼はそう言った。

涙で滲む視界の中、それだけしか覚えていなくて。


それだけしか、覚えていたくなかった。







<font size="7">寂しがり屋な藍#1</font><font color="#c0c0c0" size="3">―夜八時の奇跡事―</font>









夜八時を過ぎたら、昼間はにぎわう商店街のどの店も人気を失ってくる。
俺は毎日、そのタイミングで公園から抜け出す。真っ暗な商店街は少し恐いけど、
目立たないためにはこれが最善の方法だから。

一昨日はコロッケ屋。昨日は八百屋。さて今日はどの店で食料を奪おうかと
辺りをきょろきょろと見回していると、暗く伸びる中心路の奥の方から馬鹿でかい
笑い声が聞こえてくる。
掠れていて酷く嘲笑う様な声。一瞬にして体が固まるのが分かった。
脳裏を過るのは、俺の服を裂いて笑うあいつら。

やばい、やばい。俺は生まれつきの金髪のせいか、なぜだかやたらとヤンキーとか
不良とかに絡まれる。
できることならすぐにでも黒髪にしてしまいたいけれど、生憎家すらない俺には
金だってない。



「ど、しよ…」



近づいてくる笑い声に、ポツリと声が漏れた。
足が震える。喉が窄まる。つーっと首筋を流れる汗に鳥肌が立つ。

父さんが借金取りに追われて自殺をした後、俺は追いかけてくる借金取りから
死ぬ気で逃げ回った。
でも車なんて出されれば一瞬でつかまって、なんでそうなったのかは知らないが
服を脱がされた。
必死で抵抗するも虚しく、そういう行為をしようとしているんだと分かったころには
時すでに遅し。散々痛めつけられた後ろに何かが宛がわれていた。


別に不良は皆そう言うことをするわけじゃない。
でも、絡まれるといつもあの時の描写がクリアに浮かんできて、
流したくもない涙が次から次へと溢れてくる。

俺の人生、一言で言うなら〝悲劇〟だった。
二歳のころに母親を亡くした。でも、母親は不倫していて家に帰ってこなかったから、
顔なんて見たことなかったけど。
小学三年生の時に父親が借金を作った。そして、中学二年の時に父親が自殺した。

ああホントにいいことないじゃん、そんなことをぼんやりと考えていると、
真っ暗な中心路に4、5人程の集団が立っていて、伺うように此方を見つめていた。
だぼだぼに着崩した制服。あ、やばいと思えばすぐに、集団の真ん中にいる
背の低い男が口を開いた。



「…お前…金髪？」

「え、あ、や、その、」

「おい、ここらへんに金髪なんていたか？」

「俺は見たことないっすけど…」

「お前、どっからきた」

「え、と…」



ぎろりと切れ長の目で一睨みされれば、条件反射のように口籠ってしまう。
ここでただの一般人ですと言っても信じてもらえるケースはまずない。
一般人はこんなに見事な金髪ではない。その時点で俺は〝一般人〟ではないのだ。



「おい、何しらばっくれてるんだよ」

「あ、あの、俺…」

「そこまで上等な金髪なら、どっか喧嘩の強い学校なんだろうなあ」

「お、俺、不良じゃ…」

「ぁあ！？聞こえねぇんだよ！！！」


「ちょっと！！アンタたちやめなさいよ！！！！」



怒号が耳を掠めたその瞬間、やけに甲高い声が商店街に響いた。
驚いて振り向くと、仁王立ちをしたシルエット。視線をあげれば、綺麗に巻かれた
金髪の髪を長く垂らした細身の女の人が立っていた。
女の人の後ろで唖然としている男の人は、俺が視線をやった瞬間、
思い立ったかのようにあたふたしだした。



「ちょ、ちょっとジェシカ！何言ってんの、相手誰だと思ってんの！」

「何よドンへ、可愛い男の子が襲われてんのよ！？助けるしかないじゃない！」

「結局そこ！？俺知らないから！一人でやってよ！」

「はぁ！？女にケンカさせる気！？アンタがやるに決まってるじゃない！！」

「えぇ！無理無理、あ、ほら！あの子だって困ってる！！」



びし！と男の人に人差し指を刺されて、俺は思わず背筋を伸ばす。
ゆっくりと二人の視線が俺の視線とぶつかって、その間には奇妙な静寂さえ流れた。
女の人は俺を見定めるかのようにじっと見て、男の人は縋るような瞳で俺を見つめてくる。



「何よ、全然困ってないじゃない。むしろ喜んでるわ。そしてやっぱり可愛い。」

「何言ってんの！もうジェシカが襲おうとしてない！？」

「してないわよ。助けてあげるの！ほら、さっさとヤンキー追っ払って！」



唖然としている俺の前で繰り広げられるテンポのいい会話劇。
俺はただ見つめることしかできなくて、暗がりに浮かぶフォルムを只管見つめた。



「ほら、早く行ってってばって……あ！あいつら逃げた！」

「違うでしょ！どう見たって呆れて帰ってったの！」

「何よもう！かっこいいとこかわいこちゃんに見せたかったのに…」

「全部そこに行きつくじゃん！！」



女の人が声をあげて指さした方へ視線を送ると、視界に入ったのは
かったるそうに暗く伸びる中心路を去っていく集団の後姿。
俺はただ体中の力が抜けていくのをどうする術もなく感じるだけで、
気が付けばへなへなと地面に座り込んでいた。

嘘みたいな出来事。誰かに助けてもらうなんていつ振りだろう。
こんな俺を見てもなんとも思わないのだろうか。恐いとか、汚い、とか。

グルグル思考が廻るのに、押し上げてくる感情は何故か一つで。
じわじわと目尻が熱くなって、鼻の奥がツンとする。確認するまでもなく、
涙が頬を伝っていた。



「はぁ…ほら、あの子ジェシカの迫力にビビっちゃったじゃん…」

「な、違うわよ！安心して力が抜けちゃったの！」

「まったく…ね、君、だいじょう…」



ひょいっと俺の顔を覗き込んだ男の人の動きが止まる。
それにつられて俺の顔を見た女の人もさっきの勢いを失くして固まった。

静かに流れる涙は、綺麗に美しく頬に筋を作っていく。
俺なんかには似合わない涙。俺なんかが流してはいけない涙。


暫くすると、頬に何か温かい感触が伝わる。
驚いてびくつくと、すぐ目の前にやけに整った男の人の顔があった。


「ごめんね、びっくりしちゃった？」


きゅ、と指の腹で頬を撫でられれば、余計に視界がぼやけてくる。
涙を拭われるなんて。そんな事夢にも思わなかった。



「だいじょうぶ？どっか痛い？ちょっと、ジェシカいつまで固まってんの」

「………やっばい、近くで見るとちょー可愛い…」

「ちょっと！その口調恐いよ！本気になるサインじゃん！！」



まったく、ね、ごめんね、なんてふんわりと微笑みかけた男の人は、
さらりと長い指を俺の髪に絡めた。
そして次の瞬間、指とは比べ物にならないくらい柔らかい感触が頬から全身に走る。
大きく見開いた目の前には、男の人の頬と顎先。
キスをされた、そう理解するのにはあまり時間が掛からなくて、
ぺろりと下で目のすぐ下を舐められれば、自然にもゾクゾクする。



「もう大丈夫。家まで送っていこうか？」



頬に残る唇の感触が消えないのに、ポカンとしている俺をよそに、男の人は
また微笑んだ。
こういうことには慣れているんだろうか。俺は男なのに。

それでも思考は完全フリーズ状態で、俺は訳も分からず、家もないのに
ただ只管頷いていた。










<font color="#c0c0c0" size="3">―夜八時の奇跡事―</font> 
（あなたの瞳に惹かれることは、この時から決まっていたのでしょう？） 









</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T11:15:52+09:00</dc:date>
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		<title>寂しがり屋な藍　#設定#</title>

		<description>・ヒョクチェ
借金を残したまま自殺をし…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">・ヒョクチェ
借金を残したまま自殺をした父親を持つ中学生。
ほぼホームレス状態で、不登校。
しかし生まれつきの金髪により、他人から怖がられることが多い。


・ドンへ
容姿端麗で、ホストをしている大学一年生。
ヒョクチェの早くに死んだ母親とも何度か体を重ねていた。
人間不信に陥った後遺症あり。心を閉ざしがちである。


・ジョンス
ヒョクチェのクラスの担任で、ドンへのいとこ。
心優しい人間で、ヒョクチェを気に入っていた。
ドンへが人間不信に陥ったのは自分のせいだと責め続けている。


・ジェシカ
ドンへの常連客という名のドンへの幼馴染。
客と言って店に入り浸っては散々愚痴をはいて帰っていくという迷惑を度々かける。
彼氏がいるせいか、恋愛事には煩い。特にドンへの恋愛には。




※以上の設定で構わないという方のみご覧ください。




</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T11:13:16+09:00</dc:date>
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		<title>3</title>

		<description>Side H



大好きだったドンへに告白…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">Side H



大好きだったドンへに告白された。
「好きだ、愛してる」、と。

俺だって好きだ。ずっと一緒にいた親友だし、俺のことは、ドンへが一番分かってくれたし。


でも、「愛してる」、は―――。







「…ヒョク、チェ…？」



ごめん、ごめん。もう、それしか言えなくて。
傷つけたくなかった。大切で、大好きなドンへを。
だから、嘘をついた。
「俺も、愛してる」、と。

この気持ちは愛なんかじゃない。ずっと分かっていたのに。
その時はただ、目の前で泣きそうになりながら俺を抱きしめるドンへが愛しくて、守りたくて。


好きと言われれば嬉しかった。手を握られれば少し恥ずかしくて、くすぐったくて。
でもそれは愛じゃない。俺はドンへみたいに、
何処にいても、何をしていても、ドンへのことを考えたりなんかしない。

もう、充分分かったから。ドンへがどれだけ、俺を想ってくれていたのか。
嘘をついてこのまま一緒にいるよりは、今、これ以上ドンへが俺のことを好きにならないうちに、離れた方がいいに決まってる。



「ヒョク、チェ…なんで…」

「…俺、もう一緒にはいられない…」

「…ッヒョクっ…」

「ご、めん…」




ごめん、ごめん、ドンへ。
俺なんかを選ばないで。俺ってば酷い奴なんだ。
好きだって嘘つくし、自分で耐えきれなくなって別れるし。

ドンへはカッコよくて、優しくて、気が利くし、面白いし。
俺なんかじゃなくて、もっと可愛くて、ふわふわしてる女の子が相応しい。



「ごめんな、ドンへ」



信じられない、というような瞳をしているドンへに背を向けて、
俺は歩き出す。

どうして涙が出ないんだろう。俺は本当に、最低な奴だったんだ。





いつか、またいつか、笑ってドンへに会えるときになったら、ちゃんと今の気持ちを伝えよう。
今の俺は、恐がりで、弱虫で、どうしようもないから。


どうせもうすぐ受験だし、ドンへに会うことはなくなる。
そうすれば時間が傷を癒してくれるし、そうしたら、ドンへだって――




『ヒョクチェー』

『んー』

『俺、絶対ヒョクチェのこと泣かせないからね』

『ん、ありがと』

『で、ヒョクチェは？』

『は？』

『俺のこと、泣かせない？』





約束通り、だった。ドンへは俺を泣かせなかった。
でも、俺は結局約束を破ることになる。きっとドンへを泣かせる。

俺は、最低な人間でいい。






　＊＊＊＊＊＊＊




「ヒョクチェヒョン、」



ポン、と頭を撫でられて、俺は思わず眉を寄せた。
毎日のように子ども扱いするなと言っているのに、こいつは一向に直しそうにない。



「お前…俺の方が年上なんだぞ。」

「え、知ってますけど。」

「な…じゃあ子ども扱い直せよ！俺が嫌！！」

「…だって、ヒョクチェヒョンどうみたって年下なんですもん」

「はあ！？」



ガタンッと大袈裟な音を立てて椅子から立ち上がると、食堂にいた全員が俺を視線で刺す。
シンと静まり返った空気さえも自分を圧迫しているようで、俺は仕方がなくゆるゆると腰を下ろした。


「……最低、お前」



小声で威嚇しながら睨みつけてやると、目の前の後輩がニヤリと笑った。
俺はどうする術もなく深いため息を一つついて、食べかけのハンバーグにかぶりつく。



「大学四年にまでなってハンバーグですか」

「…バカにしてんのか？」

「いえ、子供だなぁって。」

「バカにしてんじゃねぇか！！」



ハンバーグを咥えたまま声を荒げる俺に、「まあまあ」、なんて年上気取った態度をとるそいつに、
俺はいい加減嫌気がさす。
こいつは二年の中でも超有望株だか何だか知らないけど、
それなりに注目を集めてる人間だ。
そんな奴が、どうして俺みたいな平凡人間になつくのかが分からない。



「さ、ヒョクチェヒョン、早く食べちゃってください。」

「は？何で？」

「だって、今日俺四年と一緒に講義ですもん。」

「どうして！？」

「え、頭がいいから？」

「………キュヒョナ、お前もう黙れ。」



聞いてきたのはそっちじゃないですか、なんて不貞腐れる後輩をよそに、俺はハンバーグを喉に流し込む。
今日はやけにソースがしょっぱい。俺が大好きな、食堂のおばちゃんのソースにしては珍しい。



「誰が作ったんだろ…」



ぼそりと呟くと、キュヒョンに目で訴えられる。
早くしろってことだろうか。俺は仕方がなく、大口を開けてハンバーグを口にしまった。

その時。



「あーーーー！！！！焦げたぁーーー！！！！！！」




耳を劈くような叫び声が厨房の方から上がって、
俺もキュヒョンもそろって顔を顰める。

キュヒョンは俺がもたもたしてることからして苛立っているようで、ちらりと厨房を盗み見て、小さく舌打ちをした。



「ったく…ほら、行きますよヒョクチェヒョン」

「あ、う、うん…」


素早く立ち上がったキュヒョンにつられるように、俺もトレーを持って立ち上がる。
そそくさと食堂を出ようとするキュヒョンに、「ちょっと待ってて！」と声を張り上げて、
俺はトレーを戻しに厨房の近くまで向かった。




「あ、れ…？」




トレーを置いた後、なんとなくさっきの叫び声が気になって、俺は少し厨房を覗いた。
でも厨房には誰もいなくて、残っているのは、
焦げたハンバーグが残っているフライパンと、
洗っていない食器の数々。


大方別のところで叱られてでもいるんだろうな、あれだけ豪快に叫んでたし。



「行くか…」



俺は一人で呟いて、のろのろとキュヒョンが待っている出口まで向かう。




なんとなく、少ししょっぱいハンバーグの味と、あの頃の自分たちが蘇った。














</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T11:11:48+09:00</dc:date>
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		<title>2</title>

		<description>靴箱でいそいそと靴を履き替えていると、…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">靴箱でいそいそと靴を履き替えていると、
校門のところでぼうっと佇んでいるヒョクチェが見えた。

それだけでパッと明るくなる自分の顔。
多分、シウォンはまたため息をつくんだろう。



「ひょ…」


ヒョクチェ！と駆け寄って抱きつきたい。
クラスの友達にされたより強く抱きしめて、
それから、今日、半袖半ズボンでいたことにけちをつけて、困った顔をするヒョクチェに、そっとキスしたい。

そう思って、声を出したのに。


「あ、マジで！？俺なんて今日やっとそのタイムだぞ…」

「はは！だせー！！俺はこないだまた自己ベスト更新したぜ？」

「えー！！お前足速すぎ！」


昇降口を出て駆け寄る途中、俺に気づかないヒョクチェが、
背の高い男と、楽しげに会話をしている。

誰だろうと思って近づこうと思うのに、どうしてだろう。足が動かない。
気づいて欲しくて名前を呼ぼうと思うのに、何でだろう。声が出ない。


こわい、こわい。
ヒョクチェが離れていきそうでこわい。
自分の独占力が、こわい。



「俺も今帰るときだったんだよな…あ！ドンへ！！」


ニコニコと話し続けていたヒョクチェが、ふいに此方を向いた。
嬉しそうに俺の名前を呼んで手を振ったのは、会話が楽しかったからだろうか。


「なんだよ、いたなら呼んでくれればよかったのに…」

「う、ん…ごめん…」

「ま、別にいいけどさ。」



こっちの駆け寄ってきたヒョクチェが、ポンと俺の頭を撫でる。
そうされるともう、さっきまで抱いていた黒い感情なんて一気に消え去って、
心がふわふわと躍りだす。

「またな！」って笑って喋っていた男に手を振るヒョクチェに、「かえろ」と呟いてその手を握ると、少し照れたように頬を赤くして微笑んだ。
嬉しい。すっごく可愛くて、抱きしめたい。
でも、手から伝わる温もりで十分な気がして、俺は心の中で微笑んで、ゆっくりと歩き出した。



　＊＊＊＊＊＊＊



「でさ、それで今日やっと自己ベストでて…」



嬉々と話すヒョクチェに、俺も同じようなニコニコとした笑顔で「知ってる」と答えると、
ヒョクチェは目を丸くして俺を見た。


「は…？何で？」

「ヒョクチェの体育の授業、教室から見てた。」

「え、授業は？」

「ん？聞いてないよ？」

「…はぁ…」


あれ、ため息つかれた。
なんか俺、人にため息つかれやすい人間みたいだ。しかも、おんなじ様な理由で。


「ドンへって、ホント俺のこと好きだな」


呆れたように笑うヒョクチェに、シウォンのときと同じように胸を張って頷くと、
今度はヒョクチェが何故か悲しい顔をする。
瞳がぐらぐらと揺れて、今にも泣き出しそうなその顔に、俺は思わず問いかけた。



「ヒョクチェ？どうしたの？」

「や、何でも…」

「……ヒョクチェ？」


急に立ち止まったヒョクチェは、俯いたまま顔を上げない。
どうしたんだろうと思って顔を覗き込んで頬に触れようとすると、
その直前で腕をヒョクチェに掴まれてしまう。


「ひょく…」

「ドンへ、」

「ん…？」

「ごめん、俺…」


ふるふると腕を掴んだ手が震えだして、
喉の奥から無理やり搾り出したような声をヒョクチェが出す。

ドクリと心臓が脈を打って、背中を鳥肌が走る。
どうしよう。嫌な予感がする。



「俺、もう別れたい…」



涙ぐんだその声に、ゆるゆると掴まれた腕を下ろしたのがいけなかったんだろうか。
そのまま強く、離れていかないように、抱きしめれば良かったんだろうか。



それをしなかった俺は、恐がりで、弱虫なんだ。









</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T11:10:16+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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		<link>https://era1229sj15s.novel.wox.cc/entry7.html</link>
		
				
		<title>Good-bye, my thought people</title>

		<description>隣で眠る天使みたいな寝顔にキスをしたの…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">隣で眠る天使みたいな寝顔にキスをしたのは、

嬉しそうに笑う君の手をそっと握ったのは、

震える背中を強く抱きしめたのは、


全部全部、愛だったはずなのに。




　＊＊＊＊＊＊＊



「さむそう…」


ぼそりと何気なく呟くと、隣にいたシウォンに顰め面をされた。


「ドンへ、お前、俺の話聞いてたか？」

「ん？あ、ごめん。聞いてなかった。」

「…はぁ…」



へらへらと笑って本音を言うと、シウォンは相変わらずのオーバーリアクションでため息を漏らす。
そんな反応をされてもまだ、俺の意識はシウォンの話にはいかないようで、
やっぱり、視線は窓の外だ。


十一月の寒空の下、半袖短パンの体操着で校庭を走り回るヒョクチェは、
どうやら100ｍの自己ベストタイムを更新したらしい。
嬉しそうに友達と抱き合いながら肌を擦り合わせる姿は何とも可愛いが、
どうも…気に食わない。



……寒いなら、着ればいいのに…。



「ドンへーおーいドンへー。」

「ん？」

「お前、また聞いてなかっただろ。」

「あ、うん。ごめん。」

「…お前、いっつもヒョクチェのこと見すぎ。」

「いっつも見てるよ、好きなんだもん。」



胸を張ってそう言い切ると、俺はまた窓から校庭を見た。
白い肌を曝け出して、休憩中なのか、呑気に地べたに座ってくつろぐヒョクチェを、俺は何とも言えない目で見つめる。



「ヒョクチェも大変だな、こんな恋人もって。」


呆れながら首を竦めるシウォンににかっと笑いかけると、
やれやれ、と小さく呟いたシウォンが前を向きなおす。

いつも授業を真面目に受けていないドンへにとっては、
真面目なシウォンが授業中に話しかけてくれること自体、暇つぶしになっていいのだが、
今はやっぱり、一人で窓の外の可愛い恋人を堪能していたい。



「あ、お腹…」


足を延ばしてくつろぐヒョクチェに、仲のいい友達であろう生徒が勢いよく飛びつく。
その勢いでゴロンと横に倒れたヒョクチェの半袖がふわりと浮いて、その白くて滑らかな白い腹が露わになる。


ダメダメ！絶対見ちゃダメ！！！
ヒョクチェのお腹は俺だけのものなの！ていうかホントはその綺麗な足とか細い腕とか全部俺のだから
見ちゃダメなんだけど…



「ドンへ、顔。」

「へっ？」



またいつもみたいに暴走加減でヒョクチェの周りにいる奴らに睨みを利かせていると、シウォンが小声で俺にいやーな顔して呟いた。

そんなに顔に出てたかな…
でもだって、ヒョクチェの全部は俺のなんだもん。

抱きしめると一気に上がる体温も、あどけなさが残った顔も、幸せそうな甘い笑顔も、いやらしくて艶めかしい姿も…



「お前…顔いい加減にしろよ…」

「え…」


がっつり後ろを振り返ったシウォンが眉を寄せてそう言った。
考えていたことがことだけに、変な顔をしていたらいやだと頬を触ってみると、
あからさまにシウォンがため息をつく。こいつのため息、何回目だろう。



「せめてちゃんと授業受けてるフリくらいしろ。授業中にそんな顔する奴はいない。」

「は、はい…」


しぶしぶと頷くと、黒板に向き直ったシウォンの背中を見つめる。
フリとはいえ、本当に黒板を見つめる気にはならないし。




ちらりと時計を見ると、授業終了まであと10分。

10分ヒョクチェを見ないでいるなんて耐えられるかな、なんてことを考えながら、俺はふふっと笑った。









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		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
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	</item>
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		<title>6</title>

		<description>キュヒョンせんせいは、皆の人気者だった…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">キュヒョンせんせいは、皆の人気者だった。


数学の新任で、格好良くて、授業が上手くて、少しだけ意地悪な性格が、
また惹かれてしまうところだった。



皆の人気者の、キュヒョンせんせい。



そんなキュヒョンせんせいと体を重ねているということは、
絶対に秘密だ。


俺から頼み込んだ。キュヒョンせんせいは困った顔をしていたけれど、
それでもいいと。一緒にいられるのなら、なんだっていいと。


だから、俺とせんせいの関係は、『セフレ』ともいえないほど酷いものだった。



酷く痛くて、乱暴で。
俺はただ、せんせいの性欲処理のための道具だった。




それでも、いい。


せんせいは決まって、優しく笑ってくれたから。




空が綺麗すぎると。時々、ヒョクチェが綺麗すぎると。




―せんせい。




俺だって、怖かった。せんせいが綺麗すぎるから。消えてなくなってしまうんじゃないかと。





だから、せんせいは…








「ヒョクチェ、」




不意に名前を呼ばれて、思わず過剰な反応をしてしまう。
そんな俺を見て、ドンへは可笑しそうに笑った。


ドンへって、こんなふうに笑うんだ。
なんてことをぼんやりと考えていると、もう一度「ヒョクチェ」と名前を呼ばれる。



「…何？」

「どこに行きたいの？」

「……どこでも、いいよ」

「それ、一番困るんだけど。」

「じゃあ、ドンへの行きたいところ」




ドンへは優しく微笑んで、俺の手を握った。

俺はドンへのすぐ後ろをとぼとぼとついて歩きながら、ただドンへの背中を見つめる。
店を出てから、ドンへはずっと俺に寄り添っている。



見つかったら、どうなるんだろうか。

ドンへは、どこに行くんだろうか。

俺は、ついてきて良かったんだろうか。

もしまた、あんなことになったら…




そう思うと背筋がぞっとして、温かみをもっていたドンへの背中が、
急に凍りついたように冷たくなる。

俺は反射的に立ち止まってしまって、どうしようもなく、ドンへの手を強く握った。




「大丈夫だよ、ヒョクチェ」



ドンへはそっと俺の手を握り返す。
その手があまりにも優しいから、俺はドンへを見つめる。

恥ずかしそうに首を傾げたドンへは、手をクッと小さく引く。
さっきより少しだけ近くなった距離に、どうしてだか、安心してしまう。


ドンへは少しだけ腰を屈めて、俺の耳元に唇を近づける。



「今日は俺、会いたい人がいるんだ」





熱い吐息が、耳に掛かる。

甘ったるい声が、くすぐったいように入り込む。






俺は無意識のうちに俯いてしまっていて、
いつの間にか、ドンへはまた歩き始めていた。




ドンへ。


俺も、会いたい人がいるんだ。


連れて行って、欲しい、けど…




「……ドンへ…」




一人は怖いよ、ドンへ。




「俺のこと、置いていかないでね…」





あまりにも自然に口から零れた言葉は、
自分でも引いてしまうほど、重たかった。

それでもドンへは、足を止めて、俺を振り向いて、
掴んだままの手を引いて、自分の胸の中に俺をすっぽりと収めた。



心臓が煩くなったなんて、きっと気のせいだ。





「俺は、一人にしないよ」




頭の少し上の方で、ドンへの声がする。

耳元で囁かれた時より、こっちの方がずっとむず痒い。


なんだか、ドンへが遠くに行ってしまったみたいで。








せんせい。



会いたいよ、せんせい。



ねえ、せんせい。どこにいるの…―――？







もう、俺の姿は見えないの――――？






「ちゃんと、手、繋いでてね」




腕の中の俺に、ドンへはあやすようにそう言った。
ドンへの腕が、離れていく。俺とドンへが、離れていく。


俺は当たり前のように、離れていくドンへの背中に腕を回した。



「……行きたいところが、あるんだ、ドンへ」






会いたい、せんせい。



ずっとずっと、会えなかったから。







「…霊園、連れて行って……」







ドンへの腕の中。
俺はせんせいを想って涙を流した。


しっかりとしがみついたドンへの体は、俺とは違って随分と逞しい。



せんせいは、どうだったっけ。







会いたい。せんせい。



会って、全てを思い出して、刻み付けたい。








お願い、ドンへ。




せんせいのところに、連れて逝って。











</span> ]]>
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		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T11:03:01+09:00</dc:date>
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		<title>5</title>

		<description>―せんせい。


「…んあッ…」



―…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">―せんせい。


「…んあッ…」



―ねえ、せんせい。



「ふ、あ…」





快感に溺れる。
でもそれは、決して甘い快感なんかじゃなくて。


ただの苦痛。



「ひゃッ…やぁ…」



男が頻りに腰を動かす中で、
俺の脳裏をよぎる、青い空。


あまりにも高すぎる。綺麗すぎると、
あのころは二人で、笑い合っていた。


俺たちは、似ていた。


悲しいくらい、似ていたんだ。




「あッ…んやぁ…ふ、は…」



男が俺の腰をなぞる。
深く入り込む快感は、あの頃、深く心に入り込んでいた痛みに似ている。



せん、せい…。



これじゃあ空が高すぎる。

これじゃあ太陽が眩しすぎる。




「んはッ…や、も…ひやぁあッ…」



何度目かの絶頂を迎えた時、うっすらと涙の幕が張った瞳の奥に、
美しすぎる、青空が見えた。



せんせい。




キュヒョン、せんせい。




俺を、置いていかないで。




　＊＊＊＊＊＊＊




頭から勢いよくシャワーを浴びる。
温いお湯と一緒に零れる嗚咽は、自分じゃないみたいに遠くから聞こえた。


知らない男に、抱かれた。

バイシュンを、やってしまった。



どうだって良かったはずなのに、どうして今更、あの人を思い出すんだろう。








キュッとシャワーのコックを捻る。

ポタポタと体から落ちる水滴をぼんやりと眺めながら、
俺はただ、バスルームに立ち尽くしていた。



「………ヒョクチェ…？」



不意にバスルームの外から声がして、俺は慌ててまたコックを捻った。

凄まじいシャワー音と共に、勢いをつけて、お湯が体にかかる。
あまりの勢いで体中が痛いけど、今はそれどころじゃなかった。


ドンへ…



「ねえ、ヒョクチェ。怒ってるでしょ？」



ドンへ、



「ごめん、俺、最低だよね…」



…ドンへ、




「ヒョクチェのこと、助けたかったのに…」




―俺もだよ、ドンへ。








何かに突き動かされる。

手は勝手にシャワーを止めていて、
足は勝手にバスルームの外へと向かう。



俺は裸のまま、バスルームの引き戸を引いた。

目を曇らせる水蒸気があたりに広がって、その中で、ユラユラと揺れる、
まるで蜃気楼みたいなドンへがいた。



「…っドンへッ…！」



どうしてだろう。

俺は濡れているまま、裸のまま、ドンへに抱き着いた。


悲しそうな瞳が、せんせいに似ているからだろうか。



「…ヒョクチェ？」



心配そうな声色のドンへに、俺はただしがみつく。
ドンへは何かを感じ取ったように、俺のことを抱きしめかえしてくれた。



ずっとずっと、誰かに助けてほしかった。
誰かに、必要とされたかった。


せんせいは、それを叶えてくれなかったから。







だから、ドンへ。


ドンへのことを、俺が助けるから。


俺のこと、ドンへが助けてよ。






「ごめんね、ヒョクチェ…」



そういって俺の背中に張り付く水滴を拭き取るドンへに、
俺は返事もしないで、ただただ「ドンへ」と名前を呼び続ける。

置いていかれたくない。もう、一人にはなりたくない。




「俺とヒョクチェ、似てるのにね…」



そういって悲しそうに笑ったドンへは、ゆっくりと俺の髪を撫でた。
そういえば、せんせいもよく、俺の髪を撫でていた。



なんだかもう、そう思ってしまうと、心の中で何かが止まらなくなる。






―ねえ、せんせい。



「…ど、んへ…」




―キュヒョン、せんせい。





「お願い、だから…」





―せんせい、俺を…





「一緒に、逃げて…」








―置いて、逝かないで…。












空が美しすぎる。あまりにも澄んでいる。


これじゃあ、せんせいが逝ってしまう。















</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T11:01:57+09:00</dc:date>
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	<item rdf:about="https://era1229sj15s.novel.wox.cc/entry4.html">
		<link>https://era1229sj15s.novel.wox.cc/entry4.html</link>
		
				
		<title>4</title>

		<description>―お前は今日、知らない男に体を触らせてい…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">―お前は今日、知らない男に体を触らせていればいいんだ。



仮面の男は、綺麗すぎる顔でそう言った。

男の名は、キム・ヒチョル。


この手の企業のトップに立つ男だと、ドンへが教えてくれた。


―酷く、悲しそうな顔のドンへに。





売られたんだ、俺は、ドンへに。


おんなじ気持ちだと思っていたドンへに、

助けてくれたドンへに、

助けたかった、ドンへに。




悲しくは、ない。




「とりあえず、今日はお試しってことで」



ヒチョルに連れられて入った部屋は、いかにもそれ相当な部屋だった。

鏡がびっしりと貼りつけられた天井に映り込むベットは、
妖しげに紫色を輝かせている。
部屋全体がシックでパープルテイストで、
カーテンはいやらしく透けている。



別に、どうだっていい。

俺なんて、どうなったっていい。



「客が入るまで、ここで待ってろよ」



ヒチョルは最後まで美しすぎる笑みを残して、部屋を出て行った。

俺はなす術もなく、黒のレースがかったベットに体を投げ捨てる。


今日俺は、ここで知らない男に抱かれるのだろうか。



―――せんせい…。



俺はまた、戻ってしまうの？

せんせいの性欲処理の道具だったころに、戻ってしまうの？


別に良かった。
性欲処理でいい。体貸しでいい。

俺はそれでも、せんせいのこと…――――



「…ヒョクチェ、お客だよ」



目尻に涙がじんわりと溜まりだしたころ、ドアの方で声がした。
急いで駆け寄ると、ピシッとした皺ひとつないスーツに身を包んだ長身の男と、
その後ろで俯くドンへがいた。


「君がヒョクチェくん？」

「あ、はい…」

「よろしくね、今日は。」



男の長い手がすっとヒョクチェの首筋に触れる。

驚いて男を見ると、やけに整った笑顔を浮かべていた。


ああ、俺は、この男に抱かれるのか―――。



「じゃあ、ありがとう」



男は自分の後ろに佇むドンへに一言呟く。
ドンへは薄笑いを浮かべて、男に一礼をした。



顔をあげたドンへは、泣きそうな顔で、俺を見つめた。


ドンへ、ドンへ。

俺は全然、悲しくなんてないんだ。

ドンへに売られたって、大丈夫だよ。


ただ、ただ少し、切ないだけ。



「…お楽しみ、ください…」



消え入りそうな声でそう言ったドンへは、
もう顔をあげないで、速足で部屋の前から消えて行った。




男の手が、腰に回る。
嫌悪感なんて、もうどうだって良かった。




せんせい。


俺は今日、せんせい以外の人と、体を重ねる。



さよなら、せんせい…




　＊＊＊＊＊＊＊




一時限目は、数学。

二時限目は、英語。

三時限目は、古文。




なんて退屈な時間割なんだろう。

しかも、俺の嫌いな教科ばっかりだ。



入学して一週間。

たった一週間で、ここまで授業が過酷になるとは思ってもいなかった。





ヒョクチェはまたいつもの如く、屋上で転寝をしている。
これで二度目になるサボりだが、まだ一週間。
取り戻すチャンスは沢山ある。


朝からサボるのは、これが初めてだった。
それでも、朝からいなければ怪しまれる可能性だって減少するだろう。



「つまんないなぁ…」



青い空は、つまらないほど高く続いている。

風は生温くて、空気はカラリと乾いている。


俺は澄みすぎている空にぶつけるように、そう言い放った。



「……何がつまんないんですか？」

「…へ…？」



刹那、ふっと影が落とされる。
驚いて上を見上げると、やけに整った顔立ちが近くにあって焦った。



「おさぼりヒョクチェくん。いけませんねぇ」

「せ、せんせい…」



クスリ、と、せんせいが笑った。

やけに綺麗な笑顔だったけど、澄みすぎている空とは違って、
妙に愛おしい。



「サボってたこと、担任には内緒にしてくれますか…？」



半ばせんせいの笑顔に見とれながらそういうと、
せんせいはわざとらしく「うーん」と首を捻る。

そして、相変わらずの整っている笑顔を浮かべた。



「ヒョクチェくんが、アイス奢ってくれたら考えてあげます」



俺はその言葉に、思わずプッと噴出した。








二人は笑いあう。



高すぎる青空の下で、せんせいは、優しく笑っていた。





せんせい。


好きです、せんせい。

















</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T11:00:50+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
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	<item rdf:about="https://era1229sj15s.novel.wox.cc/entry3.html">
		<link>https://era1229sj15s.novel.wox.cc/entry3.html</link>
		
				
		<title>3</title>

		<description>ドンへの背中を見つめながら、たどり着い…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">ドンへの背中を見つめながら、たどり着いたのはマンションだった。
いかにも高級そうな、立派なマンション。


「ここ、俺のうち…」


へらっと力なく微笑んだドンへは、
腕で頬の血を拭った。

どうしてそんな傷ができたのか。
ヒョクチェがそう聞く前に、ドンへが口を開く。


「学校、来てないんでしょ？」

「…え……」

「どうして来ないの？ヒョクチェ」



ドンへの瞳の奥で、アイツらが笑っている。
ドンへはそれに操られた様に、俺を嘲笑う様な目をしている。



―どうして、俺の名前を…



でも、いくらそう考えたって、たどり着くのは一本の道だけだった。


ばれてしまった。気づかれてしまった。
ドンへだけには、気づいてほしくなかったのに。



「…俺のこと、知ってんだろ、全部…」

「違う。全部は知らない。名前だけだよ」

「嘘、つくなよ…」

「嘘じゃない」

「…っじゃあなんでッ…」



何で俺を助けたの―――？





零れた涙は、静かに頬を伝う。
あまりに静かすぎるから、俺は一瞬、時が止まったんじゃないかと思った。



せんせい…――――


もう届かない。絶対に届かない。
せんせい。ねえ、どうして俺を置いていくの――？



「……なか、入ろっか。」



ドンへの手が、俺の背中を包む。
気が付いたら抱きしめられていて、肺一杯に入り込むのは、
そこら辺の高い香水よりも、甘くて優しい匂い。


俺はドンへに支えられるがまま、マンションへと入っていった。




　＊＊＊＊＊＊＊



「入って。散らかってるけど…」


苦笑いで俺を招き入れたドンへは、俺の背中をとんっと軽く押した。
それがなんでか分からないまま、首を傾げて俺は部屋に入る。


『散らかってるけど…』


そう言ったドンへの言葉を軽々と飛び越えて、その部屋は足場もなかった。

無残にも散らばる教科書。しわくちゃのまま放置されている服。
食べかけのスナック菓子の袋。転がる栄養ドリンクのビン。


「…お前、よく生活できんな…」


俺がしぶしぶと言うと、ドンへはクスッと笑った。

意外と綺麗に笑うんだな、そう思ってドンへの笑顔を眺めていると、
ドンへはまた、悲しそうに俺を見つめる。


どうしてそんなに悲しい顔をするんだろう。
どうしてそんなに悲しい瞳で俺を見るんだろう。


せんせいが、俺を見つめるときみたいに。



「――俺、ここには住んでないよ」

「…え…」

「俺、売春やってるから。」



バイシュン。



その言葉が、まるで言葉を覚えたての赤ん坊が言っているみたいに耳に入る。


驚きと疑問が入り混じった視線でドンへを見ると、
ドンへはまた、悲しそうに笑った。


「ヒョクチェだって、そうなんじゃないの？」



ドンへが、
ドンへがあまりにも、悲しい瞳で俺を見つめてくるから。

助けて、と、俺に訴えてくるから。


俺はただ、ドンへの目からしたしたと落ちる涙を必死で拭った。



「…やっぱりお前、俺のこと知ってんじゃん…」

「うん、ごめん…」

「何で、嘘ついたの…？」

「…ヒョクチェが、泣くと思った……」



ひくひくと喉を鳴らしながら泣いているドンへに、
俺は何もしてあげられない。

ただ涙を拭ってやることしかできなくて、それがすごく悔しくて。




―――助け、て…





泣いているのは、俺？ドンへ？









俺はまだ、ドンへのことを何も知らない。


知っているのは、

ただ同じ学校の同じ学年ってことと、

学校で何かにあっているということと、

家に帰ってきていないということと、

バイシュンをやっているということ。




そしてドンへも、誰かに助けてほしいってこと。





「ねえ、ヒョクチェ…」



涙でいっぱいになった瞳で、ドンへは俺を見つめる。
やっぱりすごく悲しそうだけど、いつもとは違った瞳だった。


「許して、ヒョクチェ…」



俺がドンへの背中を擦ると、ドンへは只管「ごめん」を繰り返す。

どうして謝るのか分からないから、俺はただ涙を拭って、背中を擦った。



「ヒョクチェ、ごめんね…」



ドンへの涙が、勢いをつけて一気に溢れだした、その刹那。



部屋のドアが、ゆっくりと、重たく開いた。



「……お前が、イ・ヒョクチェか？」




黒いスーツに身を包んだ細身の男が、
いきなり部屋に入ってくる。

驚いて振り向くと、男は仮面をかぶっていて、その表情が見えない。



男は俺の腕を掴んで顔を寄せ、まじまじと舐めるように俺の顔を凝視する。



「よくやった、ドンへ」



男は俺の腕を離すと、仮面をとってドンへを見据えた。

仮面の男は、女じゃないかって程の美人で、綺麗で、俺は言葉を失う。



「…ありがとうございます、ヒョン」



言葉を失った俺の背中に、ドンへの機械的な声がぶつかる。



何も分からない。



ドンへは、助けてほしいんじゃないの？

俺と一緒じゃないの？



ねえ、ドンへ―――




「ドンへ、そいつを連れてこい」



その声にハッとなって俺はドンへを振り返る。



ドンへはまた、悲しそうな瞳で、俺を見つめていた。










</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T10:59:51+09:00</dc:date>
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		<link>https://era1229sj15s.novel.wox.cc/entry2.html</link>
		
				
		<title>2　</title>

		<description>外をぼんやりと見つめていた。
昨日とは…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">外をぼんやりと見つめていた。
昨日とは打って変わって綺麗すぎる空を眺めながら、
でもやっぱり、世界は美しくない、と思った。

昨日ドンへにもらった傘は、丁寧に水気を拭き取って、
きちんとたたんである。
返しに行くわけではない。返しになんて、行けるわけがない。
ただ、ドンへの傘は、大事にしたかった。



―雨に、溶けたい。




一体どうして、彼はあんなことを言ったのだろう。


全てが敵になって、全てから追放されてボロボロになった俺が、
あの日言ったことと同じだ。



だから少し、彼に会いたい。それだけ。




　＊＊＊＊＊＊＊



パシャパシャと水飛沫が自分の歩みにしたがって飛び散るのを、
ヒョクチェはどうでもいいような瞳で眺めていた。


昨日の雨で生まれた水溜りは、今日こうしてはっきりと見える。
でも、俺は違う。
昨日生まれたものは、昨日のままで、今日はもう見えないものになってしまう。



そんなことを考えながら、ヒョクチェは足を速める。
誰も居なくてガランとした商店街を通り抜けると、見えてくるのは、
やっぱり誰もいない古びた公園。

俺はそこまで駆け寄ると、凹みがかかった部分に水がたまっている
ブランコの傍に駆け寄る。
これじゃあ座れない。そう思って踵を返すと、
ふと、見覚えのある制服が視界にチラついた。



「いいか、黙ってついてこいよ。」



ドキリ、と心臓が鳴った。

ヒョクチェは慌てて公園の彫刻オブジェに隠れる。
そっと顔だけを出して制服姿を探すと、何人もの集団であるそれはすぐに見つかった。


公園の前を通り過ぎる集団。
誰かを一人取り囲むような位置で歩くその制服姿は、
ヒョクチェが――　一番見たくなかった制服、尚文高等の制服だった。


何で、どうして…。


泣きそうになるのをこらえて、何とかその姿たちを目で追う。
もう公園の前を通り過ぎる。そういったところで、ヒョクチェは目を見開いた。



ドンへ、だ。


集団に囲まれるようにして、俯きながら歩くのは、
間違いなく、ドンへだ。



そして、ドンへの横にどっしりと居座るそいつは―――――――








「ドンへ！！！」



気づいたら俺はそう叫んでいて、
あれほど恐怖でしかなかった集団に入り込み、ドンへの腕を掴んでいた。


「………」


ゆっくりと振り返ったドンへは、悲しそうな瞳をしている。
でもそれだけじゃなくて、ヒョクチェはゴクリと喉を鳴らした。


ドンへの左頬に、血の筋が通っている。



「…おい、誰だよお前。」


やけにドスの利いた声がして、俺はハッとなってドンへの腕を離す。
その間にも、じりじりと自分に詰め寄る影。

勢いで此処まで来たものの、今更体中を駆け巡る恐怖心。
俺の顔を探るように見てくる男は、俺が制服ではないことから、
まだ真相に辿りついていないようだ。


それでも、蘇るのは、痣だらけの俺の顔と体。
不気味な怒号、それを聞いて笑う、甲高い声。

そして、俺を見つめる、黒い視線。


消え入りそうな、俺の声。



―――――助け、て…






「……早く！！！」


気が付いたら俺は恐怖から蹲ってしまったようで、
いきなりグンッと腕を引っ張られる。

驚いて上を見ると、
ドンへが必死な顔で俺の腕を引っ張っていた。


「え、ちょ…ぅわッ！！」



見た目からは想像もできないほどの力で引っ張られて、
俺は立ち上がる。
ドンへはそのまま俺の手を引いて、集団を潜り抜けて走り出した。


「ド、ドンへ…！」



ドンへの背中にぶつかる俺の声は、どこかいつもとは違う。
狂ったみたいに『助けて』しか言えなかったあの頃の声とは、違う。

助けてくれた、ドンへは。
黒い海で溺れていた俺を、ドンへは助けてくれた。


俺は何も言わずに、ドンへに引かれるがままについていく。


何処に行ったっていい。

ドンへはきっと、助けてくれる。




気が付けば自分の目から、涙が溢れていた。







</span> ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-23T10:58:07+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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		<title>ラメンタービレ 1</title>

		<description>神様。


もしも、僕を身代わりに、願…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ <span style="font-size:small;">神様。


もしも、僕を身代わりに、願いを叶えてくれるなら。




―――――彼を、幸せにして…。



　＊＊＊＊＊＊＊




夕立ちが激しく道路を叩く。
アスファルトは黒く塗り替えられていって、俺が傘をさして立っているところだけ
灰色のままだった。


ビニール傘から覗く世界は、酷く濁っている。
ぼやぼやと霞んでいて、淀んでいて、何も素敵なことなんてない。

俺はそんなことを考えながら、ただひたすら雨音の中に立ち尽くしていた。




「……傘、貸してあげる」


不意に声を掛けられ、ヒョクチェは慌てて顔を左に向ける。

見るとそこには、雨の中、自分に向かってビニール傘を差し出している男がいた。



「や、俺傘あるし…」

「いいから。とりあえず貰って下さい」


ずいっと胸元に傘を押し付けられて、制服のブレザーがじんわりと濡れていく。
不快に思って男を睨みつけると、今まで顔を伏せていた男が俺を見つめた。


「もう、傘いらないんで…」



いらないなんて言われても、心底困る。
見るからに男はびしょぬれで、しかも薄い制服のシャツはすっかり肌に張り付いている。
ポタポタと水滴が落ちる明るめの髪は、風呂に入ったあとみたいだ。

それに第一、俺はコイツを知らない。
分かるのは、こいつも学生ということと、少なからず頭がおかしいということ。


だってこんな雨の中、傘がいらないなんて…



「俺、そこにある尚文の一年のイ・ドンへって言います。いらなかったら、後で返しに来てください」

「え？尚文なの？」



ヒョクチェは目を見開いて驚く。
尚文高等は、ヒョクチェの通っている高校だ。そして、ヒョクチェも一年。

まあ、知らなくて当然なんだけど。


「はい、尚文、ですけど…」


ドンへは、顎を通る雨雫を腕で拭いながら、不思議そうに首を曲げる。
びしょぬれのドンへに気づいて、一瞬傘を返そうとしたが、俺は思わず腕を引っ込めた。


じゃあ、ドンへは俺のこと知ってるんだろうか…。




そう考えると、当たり前のように体中を走る恐怖感。
寒さのせいじゃない鳥肌が顔の輪郭に走り回って、
ドクドクと心臓が煩く鳴りはじめる。


震えながらなんとかドンへと視線を合わせると、ドンへはまだ不思議そうな顔をしている。
俺はいてもたっても居られなくなって、ドンへに押し付けられた傘の取っ手を強く握りしめた。


「えっと…ただ、聞いてみただけだから。気にしないで」


どうしよう。上手く笑えない。
ギュッと握りしめた傘の取っ手を、汗なのか雨なのか分からない雫が伝っていく。

ドンへはさらに不思議に思ったのか、まじまじと俺を見つめる。
尚文の生徒なら、きっと誰もが知っている俺の顔。
ドンへが、穴が開くほど見つめてくるから、俺の頬は自然と引き攣ってくる。


どうしよう、ばれる。ダメだ、ダメ。見たら絶対に…



「あ、俺、この傘やっぱり貰っていくから！」


変な冷や汗が髪の生え際から額に届いた瞬間、俺は傘を掲げてそう叫んでいた。

一瞬驚いたような顔をしたドンへも、すぐに眉間の皺を直して、ふわりと笑う。


「ありがと、ございます」


ぺこりと律儀に下げられたドンへの頭をぼんやりと眺めていると、
ゆるゆると体を起こしたドンへとばっちり目があった。

いや、目が合うなんて、人生で何度もあったことだけど。
ぼーっと眺めていて、ハッとなったら目が合っているとなると、反射的に顔を逸らしてしまう。


「本当に、助かります」



耳だけで、聞こえた言葉。

どうして、こんなに悲しい声が出るんだろう。


まるで、あの時の俺みたいだ。そう思ったとき、俺がゆっくりとドンへを見つめると、
謝ることしかできないみたいな、切ない顔で、ドンへが言った。




「俺は今日、雨に溶けたかったから。」




雨に、溶けたい…――――。









俺が我に返ったころにはもう、ドンへが軽く一礼をして
雨の中を去っていくところだった。

俺はドンへの傘を握りしめて、激しい雨の粒でどんどん見えなくなっていく
ドンへの頼りない背中を見つめる。






ドンへの背中がもう雨の水飛沫にきえたころ、俺はドンへの傘を開く。
パンッという軽快な音と共に俺の前に広がったのは、またあの、ビニール傘から覗く世界。



その世界は、なんだかさっきよりも、霞んでいて、淀んでいた。








</span> ]]>
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		<dc:date>2012-09-23T10:55:47+09:00</dc:date>
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		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
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